恋咲
咲月はものすごい笑顔。
可愛い♪
その笑顔は…あたしが守るよ。
咲月のことを大事にしてくれる男子が現れるまで。
ーーーー30分後。
話しながら、クッキーを食べ終えた……途中で【元気系美少女】とか言われて速攻で否定した。
「それじゃ、海斗さんに電話するね」
「うん」
スカートのポケットから携帯電話を取り出し、アドレス帳を開いた。
海斗さんの携帯番号の所で決定ボタンを押した。
プルルルル
3コール後。
「もしもし。友美ちゃん?」
「はい!」
「もう迎えに行ってもいいの?」
「はい!お願いします」
「わかった。今から行くね」
ピッ
通話を終わらせた。
「今から来てくれるって」
携帯電話を閉じた。
「ホント?後でちゃんとお礼言わなきゃ」
人が出来てるなぁ~。
とつくづく思う。
「おばさんにもお礼言わなきゃ♪」
おばさんとは、あたしのお母さん。
「また友美ん家来て、クッキー食べたい」
「いつでもおいで!お母さんに言っとくから」
「やったぁ!ありがと」
ニコッと微笑んだ。
あたしもつられて微笑む。
ピンポーン
インターホンが鳴った。
まさか…海斗さんもう着いたんじゃ。
「多分、お兄ちゃんだよ」
「やっぱり?」
「うん。きっと自転車で来てくれたんだと思う」
「だからって、早すぎない?」
「そーかな?」
「海斗さん、すごすぎ」
驚き。
それしか出てこなかった。
すると、下の階にいるお母さんがあたし達を呼んだ。
「友美~、咲月ちゃ~ん!海斗くんよ~!!」
「今行くー」
見えないお母さんに向かって叫んだ。
「じゃ、行こっか」
咲月はこくんと頷いた。