恋咲
「……」
カーテンからうっすらと差し込む日の光で、あたしは瞳が覚めた。
まだ瞳が覚めきっていなかったあたしは、ぽけぇ~としながら学校へ行く準備をした。
ゆっくりと朝ごはんを食べ終えた。
「いってきま~す…」
「いってらっしゃーい」
お母さんの元気な声が返ってきた。
ガチャ
寝ぼけたまま家を出た。
日の光がもろ当たっている。
瞳を覚ませ~
と言っているかのようだった。
あたしは朝が凄く苦手だ。
…何故か苦手。
遺伝子ではないことは確か。
あたし以外は皆、朝が苦手ではないらしい。
とぼとぼ歩いていると、少し前の方に笑顔で隣の人に笑いかけているコがいた。
その2人を見た瞬間…。
ホントに瞳が覚めた。
あたしは2人のもとに駆け寄り、笑顔を浮かべているコの肩をポンッと叩いた。
「おはよ!」
あたしが言うと、
「友美!おはよ♪」
「おはよう。友美ちゃん」
「おはようございます!」
咲月と海斗さんと一緒に学校へと歩き始めた。
下駄箱で海斗さんと別れた後、咲月と教室へ向かった。
あたしは気付かなかった。
咲月の表情が曇っていることを…。