恋咲

嫉妬 *歩美*


…最低。
あんな場面見て、教室入れるわけないじゃない…。

私はやっぱり…除け者なんだ。
いくら学級委員をやったって、私が中心になることは1度だってなかった。
中学でもずっと学級委員をやってきた。
だけど、好きな人は振り向いてくれないし。
親しい友達だって出来なかった…。

なのに…南美さんはすぐに友達が出来て。
いつもクラスの中心は南美さんだった。
好きな人も南美さんには振り向いて…。
私はずっと想い続けていたのに、途中から現れた南美さんに好意を抱いた。

初めて私のことを名前で『歩美』って呼んでくれたコだって…。
私が1番の友達だと思っていたって、あのコにとっては私じゃなくて。
南美さんだった……。

いつも思う…。
学級委員はクラスの中心で、つまり私がクラスの中心。
だけど、違う。
なんで……?
クラスの役に立ってるのは私だよ?
南美さんは何もしてないじゃない…。

クラスのみんなもそうだけど。
やっぱり1番思うことは……。
あの人との、関係。
いつも隣にいたのは私だよ?
あなたの隣は私の特等席だったのに…。
あなたがこの学校を選んだから、私も選んだんだよ?

私はずっと安心してた。
あなたは好きな人をつくらなかったから。
……ううん。
私のためにつくらないんだと思ってた。

だけど…違ったんだね。
あなたは好きな人をつくらなかったんじゃない。
つくれなかったんだね。
あなたを満足させるコがいなかった、ってことでしょ?
あなたにとって私は恋愛対象じゃなかった。
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