恋にキスを
「おはようっ!!」



朝。


後ろから声をかけてきたのは、同じクラスの女子。

前田美優。


一言で言えば、美人。

これが彼女に似合う言葉。




『おはよ。』



無表情のままで答えると、前田はムッと表情を変えた。



『…なんだよ。』

「なんで笑顔で返してくれないの?」



上目使いで俺を見る前田に、ドキッと一瞬してしまう俺。


前田は少し、春子に似ているから。


だから、ドキッとしたんだ。

絶対。




『めんどいから。それだけ。』




前田から目をそらすように一言言って、俺は教室に入った。




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