恋にキスを

我慢―大貴

秋も過ぎて、肌寒くなってきた11月。



綺麗だった赤い葉も、だんだんと茶色になっていく。


木から寂しげに散ってく葉。





「大貴!帰らないのーっ?」




そのころ、俺はあの前田美優と仲良くなっていた。


毎日俺の後を着いて歩いてくる前田が、うっとおしくて仕方なかったけど、話しているうちに前田との時間を楽しく思えるようになってきた。




『帰るに決まってんじゃん。』




もちろん、春子を忘れたわけじゃない。


今だってアイツのことを考えると、自然と心臓が速くなる。

ベタ惚れってやつ。




「だったらっ!おいしいクレープ屋さん行かない!?」



俺の言葉に、目を輝かせて言う前田。



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