恋にキスを
『いや…、今日は用事が。』



その喜ぶ顔がどんなに可愛くても、俺には春子しか見えていない。

今日は春子とテレビ電話をする約束をしている。


前田とクレープ屋になんて行ってる暇がない。




…なのに。




「えぇ~。いこぉ~よぉ~。」



小さな子がものをねだる様に俺にわがままを言う前田。

無理なのに。



今日は春子と約束があるのに…。




『ごめん、彼女と約束があるんだよね。』




ハッキリと言って前田の顔を見ると、前田は泣いていた。


え?

俺、なんか悪いこと言った?



「大貴…、彼女、いたの…。」



俺が混乱する中、涙をポロポロこぼす。


こいつ、知らなかったのかよ…。

結構有名な話なのに(笑)




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