恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
「っていうか、なんでバラしたの? あんな事」
「嘘つかないようにって釘刺したのは、くるみだろ」
「だけど……、そういうのって人にバラしちゃダメなんじゃないの?」
「ダメだろうな、普通。
……でも、くるみならいいって判断したんだ」
藍川は、会話の中のところどころであたしへの気持ちを匂わせる。
まるで、気持ちを隠すつもりなんかないみたいだ。
素直に嬉しく感じるけど、でもハッキリ告白されたわけでもないから、どういう反応をすればいいのか分からなくて困る。
戸惑いに気付かれないように、嬉しく感じてるって事を悟られないように、会話を続ける。
「あたしがみんなに言いまわっちゃったら、ヴァンパイア界で処刑されちゃったりしないの?」
「よく知ってるな、そんな掟」
「……本当なんだ。あたしはただ、裏切り者はどんな世界でも罰を受けるものなんじゃなかなって思って、適当に言っただけだったんだけど」
「……嵌められたか」