恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
【第七章】




あれは、キスだったのか。

それとも吸血行為だったのか。


『また今度じっくり味あわせてもらうから。そんなにガッカリするな』


昨日、あの後。

あたしが尋常じゃない緊張から解かれてぐったりしているのを見下ろして、藍川は微笑みながらそんな事を言った。

だから、あたしは自分から進んで飲んで欲しいわけじゃないってば!!


大体、血を吸われたらあたしどうなるんだろ。

貧血にはなるだろうけど、他に何か変化って起きるのかな。


まさかヴァンパイアになったりしたり……?


……そこまでファンタジーじゃないか。

第一、そんな事になったらそこら中ヴァンパイアだらけになるし、行く行くは人間なんかいなくなっちゃうし。


まだ微妙に酸欠状態の頭でそんな事を考えていると、藍川の指が、あたしの眉間に触れた。




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