恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
「……誘導尋問だな」
「なんで? 襲えって言ってるだけじゃん」
「『なんとも思ってないなら』……なんて。
俺の気持ちは、とっくに気付かれてると思ってたけど」
そう言われて、少しだけ答えに迷った。
まったく……何も気付いてなかったわけじゃない。
だけど、それを口にしたらうぬぼれてるみたいに思えたから、頷く事に迷った。
「だって、藍川、期待させるような事言うし……」
「くるみへの気持ちは、隠せるほど小さいモノじゃないんだ。
……隠す必要があったのかもしれないけど、無理だった。
くるみが他の男に幸せにしてもらえるならそれが一番いいと思うのに……、くるみを手放したくなくて、邪魔をして。
俺が隠し通せれば、くるみはきっと別の人生を選べたのに……全部、俺のせいだ」
つらそうに微笑む藍川が言ってるのは、さっきの草野くんとの会話に入り込んできた事なのかな。
それとも、もっと他の事……?