恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
ねぇ、紫貴。
あたしが他のヴァンパイアに牙を立てられた事、今でも怒ってる?
あたしが紫貴の記憶をなくした事、今でも怒ってる?
どうしても譲れなかった。
もう二度と、紫貴に悲しみを感じて欲しくなかった。
誰よりも守りたかっただけなのに……。
あの時のあたしの決断は、
紫貴を苦しめたよね。
ごめんね、紫貴。
本当に、本当にごめん。
許してもらえるなら、何でもするから。
だから、もう一度。
あたしの隣で微笑んで―――……。