恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
「ちょっと、くるみ! 藍川くんと付き合ってるって本当?!」
教室に入るなり、祐ちゃんに聞かれて……、隣に立つ藍川を見上げた。
祐ちゃんも、なにも今聞かなくたっていいのに……。
藍川の目の前で頷くとか、どんな羞恥プレイ?
あたしの視線に気付いた藍川は、にこりと微笑む。
「別に隠すつもりだったわけじゃないんだろ?」
「……それは、そうだけど」
藍川にそう言われて、やっぱり付き合ってる事になるんだ、なんて実感する。
昨日、告白して抱き締められてキスまがいの事はしたけど、「付き合う」って言葉の約束はなかった。
だから、正直はっきりしたところは分からなくて。
だけど、藍川が否定せずに微笑んでくれたから、なんだか……。
今さらながら嬉しくなって、同時に恥ずかしくなる。