恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―


「それはくるみの優しさに付け込んで、どうにか自分のものにできないか考えたからでしょー。

しかもライバルって存在が気持ちを昂ぶらせたよね。

にしてもさ、おかしいよね。あんな熱心だったのに、一週間前にぱったりストーキングやめて。

しかも3人同時に」


「よっぽどひどい事言って断ったの?」なんて聞いてくる祐ちゃんの言葉に、一週間前の事を思い出すも……。


「ううん。3人とも一週間前までは普通に接してたし、会話だっていつも通りだったよ。

3人とも前の日までは本当に何も言ってなかったのに……次の日突然、」

「新井は急に留学が決まって、臼井は両親の仕事の都合で転校でしょ? 

で、岸田なんか他の子と付き合い出しちゃうしね。

よりによって須藤さんだよ? くるみとは似ても似つかないような豪腕の持ち主で、柔道の重量級で県一位の実力の持ち主。

……一度付き合ったら絶対逃げられなそうだよね。得意技は締め技だって聞いた事あるもん」

「締め技……」


不思議な事に、3人は次々にあたしの前から姿を消した。

本当に突然。







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