恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―


藍川とあたしの交際が、本格的な噂になって広がったのはその数日後。

元から人気度の高い藍川と付き合ったりしたら、どうなるかくらい想像できてたけど。


……だけど、生徒会員として並んで壇上に立つ機会が多いから、それは少し気まずいっていうか恥ずかしい。

明日だって、挨拶運動の中間報告しなくちゃならないし。


いつもサボってばかりだった藍川は、あれから一度も生徒会を休まない。

おかげで、他の生徒会員まで変な視線を向けてくるから困る。


『藍川会長、あんなクールビューティなのに彼女の前だと甘えたりするのかな……』

『えー、……でも、ちょっとありかも。いや、全然あり! っていうか甘えた会長見てみたいっ』


……聞こえてるってば。


『でも、副会長、どうやって会長を落としたんだろ……。色仕掛け?』

『桃井先輩の色仕掛けって、なんか全然想像できないけど。なんか、他の国の言葉組み合わせちゃったみたいじゃない?』


……失礼なんですけど。そこの会計係。







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