恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
頭の中に、これでもかってほどの疑問符が浮かぶ。
今までないくらいに戸惑っていて、どうしていいか分からないくらいだった。
だけど、観察するようにあたしを見つめている紫貴くんの瞳が、不安を浮かべているような気がして、きゅっと唇を結んだ。
『……本当なの?』
『ああ』
『紫貴くん、血を吸うの?』
率直な疑問を言うと、紫貴くんは少しだけ顔をしかめてから答える。
『吸わなくても生きていける。けど……必要とする時もある』
『どういう時に必要になるの?』
『体力が落ちてる時とか……、あと血の匂いがしたりすると衝動的に身体が要求する』
『そうなんだ……』
『そっか』と呟きながらまじまじと紫貴くんを見つめる。