恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―


紫貴くんの笑顔を初めて見たその日から、あたし達の距離は縮まっていった。


紫貴くんはあたしが毎晩のように部屋に行っても、迷惑顔をしなかったし、

会話だって今までよりもずっとできるようになった。


なにより、学校でもどこでもクールな態度をとっている紫貴くんが、2人の時には笑顔を見せてくれたりして。

そういう事がすごく嬉しくて。


そんな時間を過ごしていって……。

紫貴くんを好きになってる自分に気付いたのは、中学の頃だった。


『紫貴、クラス替え見た? 同じクラスだったよ』

『ああ』

『っていうか、離れた事ないよね。なんでだろ』

『……さぁ』


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