恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
そう言われて、今までの事を思い出そうとするも……。
藍川との会話だとかで特に印象深いモノなんかない事に気付く。
生徒会なんか一緒にやってはいるけど、だからって親しいわけでもないし。
うん。そうだよ。
特別親しいわけじゃない。
クラスの男子と同じ程度しか話さないのに。
……なのになんで、今、こんなにも藍川でいっぱいになってるんだろ。
なんでこんなに……、
藍川が気になってるんだろう。
あの存在感はすごいなって思ってはいたけど、だからってこんなに気になったりしてなかったのに、なんで急に……。
「くるみ?」
「あ、ごめん。……ほら、生徒会で一緒だし、他の生徒よりは一緒の時間が多いから、慣れたんじゃない?」
答えるのに忘れて考え込んでいると、祐ちゃんに呼びかけられた。
ハっとして慌てて答えると、納得いかなそうに顔を歪められる。