恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
『あたしね、ずっと考えてた。
紫貴とこれからもずっと一緒にいるためには、何をすればいいのか。
紫貴は、ずっとあたしを怖がらせないために我慢していくつもり?
誰の血も吸わずに、そんな顔色して生きていくの?
あたしはそんなの、嫌』
『……くるみ、』
『あたしには責任があるんだよ。
あたし以外の血を吸わないでって、お願いした責任が』
そう言ってから、本当に言いたい事は他にある気がして首を振る。
『……ううん。違う。違うの。責任だとか、そんな気持ちからじゃない……』
自分で自分の言葉を否定してから、紫貴を見つめた。
薄い紫色の瞳が、切なくあたしを捕らえていた。
……そうだ。
あたしは、紫貴のこの目をもう見たくないんだ。
一人で、苦しませたくないんだ。