恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
『紫貴と一緒に苦しみたいの……っ。
紫貴に一人で苦しんで欲しくない……。
全部を紫貴と、共有したい―――……』
紫貴が長い間一人で抱えてきた苦しみを、悲しみを、寂しさを。
全部一緒に。
まさか、心の底から血を吸われたいなんて思う日がくるなんて、思ってもみなかったけど。
だけど、あたしは今確かに、紫貴に牙を立てられる事を望んでる。
怖さはもちろんあるけど、そんなの、たいした事ない。
こんな行為で、紫貴を助けられるなら。
あたしは何度だって、そうする。
自ら首筋を紫貴の前に差し出す。