恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
「えー、慣れないからって理由であんなクールなわけじゃないと思うけど。
だって人見知りって感じじゃないじゃん。明らかに自分から他人が寄り付かないようにしてるじゃん。
それをくるみだけってさー。
……くるみが好きだったりして」
「え……、」
今まで集中しようとしてもできなかったのに。
祐ちゃんの一言を聞いた途端、ありえないほど急速に、意識が会話に集中する。
祐ちゃんの顔は、にやっと笑っていてあたしの反応を楽しんでるみたいだったけど……。
そんなの関係ナシに、胸がトクンと大きく跳ねる。
藍川があたしを好きだなんて、ありえない。
それはもう笑っちゃうほどありえないって思う。……のに。
胸の中が騒がしい。
閉じ込められた感情がどうにかして出ようと暴れてるみたいに、ざわざわしていた。
……なにこれ。
っていうか、昨日からおかしくない? あたしの身体も頭も。
気持ちと身体が連動してない気がする。