恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
『最初の何回かだけだから、少し我慢して』
次回を予想させる紫貴の言葉に頬が熱くなる。
だけど、目の前には紫貴の顔、少し下に視線を移せば……。
そこには肌を露出した紫貴の身体があって。
視線の位置が定まらない。
普段なら紫貴の顔なんか普通に見られるのに、今までしていた事が事だけに、恥ずかしくて堪らない。
『新鮮だな、恥ずかしがってるくるみ』
『……失礼な言い方しないで』
『くるみはいつも度胸があって、何を前にしても真っ直ぐに見つめるから。
人がよすぎてとばっちりを食わないか、いつも見ててひやひやしてるけど』
『だって、頼まれると断われないんだもん』
そういいわけしてから、紫貴を見つめた。
薄い紫色のキレイな瞳が、あたしを捕らえて優しく細まる。