恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
紫貴は笑みを浮かべたまま、涙のうっすら浮かんだ瞳であたしを見つめる。
紫色の瞳が、愛しくて堪らない。
「ヴァンパイアだからって、関係ない……っ。
あたしは、紫貴に血を必要とされる事を幸せに思ってるよ。
最上級の愛情表現だって、思ってる……っ」
「くるみ……」
ずっと伝えたかった気持ちが、どんどん言葉になって溢れ出す。
紫貴に分かって欲しかった気持ち。
それを、ひとつ残らず伝えたくて、紫貴を見つめながら涙声で続けた。
「だからもう……、あたしと一緒にいる事を後ろめたく思わないで……。
紫貴じゃなくちゃ、ダメなんだよ……!
それを伝えるために、灰斗さんとあんな賭けしちゃうくらい……。
それくらい、紫貴じゃなくちゃ、ダメなんだよ……っ!
だから……、ずっと傍にいてよ」