恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
紫貴の声を聞いただけで、
身体中がとけそうになったり。
紫貴に触れただけで、
そこから気持ちが溢れ出したり。
紫貴に微笑まれただけで、
どうしょうもないくらいに幸せを感じてしまったり。
この頃のあたしは、
ずっと、魔法か呪いだと思ってたけど、違ったよね。
あたしの中のどこかに記憶され続けてる紫貴に、
気持ちが素直に反応してたんだ。
記憶を失っても、
それでも、紫貴を特別だって無意識に感じてた。
閉じ込められた記憶が、紫貴を呼んでた。
強く、切なく。