恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
藍川とは今年初めてクラスが一緒になって、ただそれだけの仲なのに……。
なんで、こんなにも惹かれてるんだろう。
あれだけ完璧な容姿だったら惹かれたって当たり前なのかもしれない。
でも、そういうのとはどこかが違う。
外見が、とかそんなんじゃなくて。
一目惚れだとか、そんなんじゃなくて。
運命、なんてそんな言葉を感じるほどに、惹かれてる―――……。
まるで、あたしの中の血が藍川を求めてるみたいに。
「……」
やっぱりなんか変な魔法でもかけられたのかな。
暴走する気持ちに思わず苦笑いせざるをえなくなっていた時。
少し先を歩いていた藍川がぴたりと止まる。
そして、月を見上げながら言う。