恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
ドキドキ、ドキドキ……。
あまりに速い速度で鼓動を刻むから、どうしていいかわからなくて戸惑う。
深呼吸をしてみても、それは落ち着くどころかもっともっと速く動いて……。
あたしを急かす。
「……、」
なに……?
気持ち悪い……。
言う事を聞かない身体が自分のモノじゃないみたい。
こんなに血が巡っているのに、貧血みたいな気持ち悪さが襲う。
暴走する身体になのか、
何かを訴えかけてくる血になのか、……意識が遠のく。
苦しい胸を押さえながら机にうずくまった時、懐かしい香りを感じた気がした―――……。