恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
【第四章】
「あ、起きた」
目を開けると、白い天井と蛍光灯が見えた。
両サイドを白いカーテンで囲まれた場所に寝ている事に気付く。
左側に視線を移すと、あたしを見下ろす祐ちゃんの姿があった。
消毒液の匂いが、少し鼻をつく。
「ここ……保健室?」
「そう。くるみ、朝のHR中に急に貧血起こして意識失って。
そんなにヴァンパイアの話したのが怖かった?」
ぼんやりと天井を見上げながら、自分の首に手を当てて脈を確認する。
トクントクンと規則正しく動く脈は、いつも通りの速さで動いてた。
さっきのは、なんだったんだろう……。
「先生、研修でお昼までいないんだって。
今2時間目だけど、どうせならお昼休みまで休んでれば?
3、4時間目の合同体育とか、出られないでしょ」
「合同……あ、そっか。体育大会の練習するんだったっけ」