恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
「あの、ですね」
「なんだ、その話し方。普通に話せ」
「その、色々と考えた結果……とりあえず、藍川が不思議な能力を持ってるって事が分かって……。
ほら、こないだのケガの事とか……」
自分でも何を言ってるんだか、バカバカしくなる。
だけど、視線を移すと藍川は真面目に聞いてくれているみたいだから、思い切って言葉を続けた。
「でね? あたしの予想からいくと、魔法使い系か……それか、……」
「―――それか?」
声を詰まらせると、先を急かされる。
こんな話をいつも通り無表情で聞ける藍川はすごいと思う。
先を急かすのは、全部を聞いた後であたしをバカにしたいのか、……それとも。
「……吸血鬼」
この答えが、正しいからなのか。