恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―


ここでは抵抗があった。

いくら漠然とした信頼があるからって、さすがにベッドに並んで座るのは危険なような……。


「……?」


と、そこまで考えた時、不意に頭がある光景を思い出させる。

思い出させて、頭の中に画像として映し出す。


―――それは、写真か何かみたいだった。


今みたいにベッドに座っている藍川と、その隣に座るあたしの姿―――……。

僅かに微笑む藍川と、笑顔を向けているあたし……。


でも、2人とも幼いし……、

場所も違う……?


……どこ?

でも、見た事がある。

あたしが、すごく好きだった場所。



この場所は―――……。



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