風紀委員長ミーシャの事件簿
まさに目から鱗が落ちる思いだ。

天空宮市を管轄としている警備騎士団の団員ならではの発想。

「ミーシャ、この学園に怪談話や幽霊が出没するという噂はないかい?或いは、精霊召喚を得意とする生徒や教師がいるとか」

ラインハルトさんが私を見る。

精霊というのは、えてして高位の魔力を持っている者が多い。

そもそもこの天空宮市においては、精霊は魔法魔力の源とさえ言われている。

つまり精霊召喚というのは、魔法そのものを呼び出すに等しい行いだ。

精霊召喚をたやすく行える人物は、先生方の中にも数少ない。

それこそ学園長先生くらいのものだろう。

しかし。

「この学園は霊的な構造です。魔法や召喚術を教える学び舎でもありますから。幽霊や下位精霊を呼び寄せやすい構造になっているんです」

つまり、怪談話や幽霊の目撃証言などは枚挙に暇がないという事だ。

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