風紀委員長ミーシャの事件簿
私は早速学園内の風紀委員達に連絡を入れ、情報収集を始める。

噂の域を出ない話でもいい。

怪談や幽霊の目撃情報を集めて欲しい。

本来の風紀委員の職務とは違う、一風変わった仕事ではあったが、それでも風紀委員達は喜んで私の指示に従ってくれた。

結果として。

「また来たわ」

私はもう何度目かもわからないメールの着信音に声を上げる。

怪談話や幽霊の目撃証言などは枚挙に暇がない、とは言ったが、まさかここまでとは。

『校舎3階の女子トイレに子供の霊が出現する』

『無人の音楽室のピアノが夜更けに天空宮大漁節を奏で出す』

『校舎2階渡り廊下に不細工な女の霊が現れ、私綺麗?と問いかけてくる。YESと言わなければ下手くそなメイクをされてしまう』

『深夜のグラウンドに時速500キロで走り回る老婆、通称マッハババアが出没する』

「……」

鳴りっ放しになる私の携帯。

しかし送られてくる情報は、どれもジョークだか都市伝説だか迷惑メールだかわからない話ばかりだった。

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