上から下へのラブコール
「どんな一年生が入ってくるかな〜?」
体育の時間、ランニングをしながら、
同級生の藤沢 胡兎(コト)が目を輝かせながら聞いてきた。
「立派な先輩になるの!!」
そう言いながらガッツポーズをした。
「……単細胞…な……胡兎…には無理」
そんな真琴に冷ややかな目を向けているのが、木下 羅々。
ランニングをするたびに長い黒髪のポニーテールを靡かせていた。
「なによう!!」
焦げ茶色の短髪が、猫の威嚇ように逆立ったように見える。
「まぁまぁ。喧嘩しないのっ」
このまま続けさせたら、いつまでも続きそうな喧嘩だったため、私は二人の間に割って入った。