守ってあげたい


ケイタ先輩に連れられて辿り着いたのは


カトリック教会の敷地にある墓地



少し小高い丘の上に、ケイタ先輩の彼女の墓地があった。



ケイタ先輩の彼女はカトリックだったんだね。



なぜか… 自然とケイタ先輩についてきてしまった。



陸とは違う男の人


ケイタ先輩は目を伏せて彼女の眠っている墓地に向かいあっている。



彼女と何を話しているの?



ケイタ先輩の後で、墓地にお祈りする






『会う約束してたんだ… あの日 』


ケイタ先輩が墓地を見つめながら話しだす。



『お互い忙しくて、あんまり会えなくて

あの日は久しぶりに会う約束してたんだ』


『こんなにあっけなく会えなくなるなら…出会わなければよかった。オレと出会わなければ、生きてたかもしれないだろ?』


少しかすれた声で話すケイタ先輩は泣いているように見えた





うつ向いて肩を震わせている。






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