守ってあげたい
不安になる。一人になると心細い。
知らない町じゃないのに、屋台が並んで
人がたくさんいると
まるで知らない場所に来たみたい。
巾着袋から携帯を取りだし、海斗へと発信する。
お願い…出て。
しばらく鳴り続けた呼び出し音は虚しく留守電にかわる。
伝言を残さずに切る
一人で歩くあたし
さっきまでの楽しい気持ちはすっかり消えてしまった。
海斗達、どこなの?
ふいに、さっきの女の子に向けた笑顔の陸が脳裏を走る
…さっきの女の子は
陸の何?
あたしの事を好きなんじゃなかったの?
もう 好きじゃなくなったの?
ズキン―
また胸が痛む