ただ、だいすきなんだよ


「………うげっ!?」


クラス表を見た私は
思わず間抜けな声を出す。


「……誰も仲良し居ない…」


それはまだ小学4年生の私にとって
かなり重大な問題だった。


昔から仲良しな親友、
舞(マイ)と霞(カスミ)と初めて
クラスが分かれ、私は落ち込んでいた。


「まあまあ…舞と霞はクラス隣だから、遊びにおいでよ!」


自分の事を『舞』と呼ぶ、
無邪気な小さめの女の子は、女の私でも惚れてしまう程可愛く笑った。


「まぁ、うちらは楽しくやるもんね、舞〜?」


意地悪そうにそう言いながら微笑むのは、ショートヘアでかっこいい系の霞。


「行くに決まっとるやん!」


たわいのない話をした私達は、ばいばいを告げてお互いの教室に入った。
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