ただ、だいすきなんだよ
ええと、私の席は…
あ、あった!
真ん中の1番前!
……って、1番前ですか。
最悪〜…
授業真面目に聞かなきゃじゃん。
ふてくされながら、自分の席にランドセルを置く。
初日の、空っぽのランドセルから虚しい音がする。
後ろの席は…
あ、顔は知ってるけど喋った事ないや。
それは、私の1番の親友になる、『黒口真梨(クログチマリ)』だった。
「真梨ちゃんだよね?同じクラス初めてじゃない!?一年間よろしくね!」
内気な真梨は、一瞬びくっとしたが、すぐににこっと弱々しく笑って
「美奈ちゃんだよね?こっちこそ、よろしくね」
と答えた。