ただ、だいすきなんだよ

ええと、私の席は…
あ、あった!
真ん中の1番前!


……って、1番前ですか。
最悪〜…
授業真面目に聞かなきゃじゃん。


ふてくされながら、自分の席にランドセルを置く。


初日の、空っぽのランドセルから虚しい音がする。


後ろの席は…
あ、顔は知ってるけど喋った事ないや。


それは、私の1番の親友になる、『黒口真梨(クログチマリ)』だった。


「真梨ちゃんだよね?同じクラス初めてじゃない!?一年間よろしくね!」


内気な真梨は、一瞬びくっとしたが、すぐににこっと弱々しく笑って


「美奈ちゃんだよね?こっちこそ、よろしくね」


と答えた。
< 4 / 12 >

この作品をシェア

pagetop