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ふぅ…っと溜め息をつき、再び窓の外を眺める。


ふと、隣の席から視線を感じた。


振り返ると、ショートカットの女の子が私を見つめている。


目が合った瞬間、彼女は微笑みながら
「転校生は大変だね。」
と言った。


いきなりそんな事を言われた私は、返事が思い浮かばず困ってしまった。


「ごめんね。悪気はないんだけどさ。あんまり気にしないで。」


そういって彼女は申し訳なさそうに謝る。


「あっ…自己紹介まだだね。私は武藤英理。なんか困った事が合ったらなんでも言ってね。」


「ありがと。武藤さんね…よろしく。」


そう言い、私は視線を彼女からずらした。
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