Enter
今日は始業式だったので、学校は午前中だけだったが、英理のお陰で時間が過ぎるのを早く感じた。


出来る事ならもう少し英理と仲良くなりたかった。


新しい環境で友達が居ないのは少し寂しいし、何より英理の事をもっと知りたいという気持ちがあった。


…英理には人の心が読めるのかもしれない。


「凛、今日これから暇？」


「えっ？…特に用事はないけど…」


「よし、私が学校の周りを案内してあげよう。意外にここら辺は遊べる場所多いんだぜ？」


私の返事を待たずに英理は１人でプランをたて始める。


どうやらこの辺りは遊ぶ場所が沢山あるようだ。


頭を抱えながら考えこんでいると思いきや、いきなり顔を上げて
「よし、行くぞ！」
なんて、私の腕を引っ張り歩き始める。


端から見れば強引に付き合わされてる感じなのかもしれない。


ただ、今の私にはそんな事さえ幸せに感じてしまう。


お気に入りのスニーカーに履き替え外へ飛び出した私達を、眩しすぎる太陽が照らし出した。
< 8 / 34 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop