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入り口
俺がダーツを始めたのは高校生の時だ。

学園祭の打ち上げの時に数人でマンガ喫茶に行って遊んだのが始まりだ。

はじめは、ルールも分からずただ適当に投げて遊んでいるだけだった。

本当に時間つぶしの遊びのつもりだった。

遊びのつもりだったんだ。


*****

『学校にて』


「ハルヒコ、久しぶり。今日は何処に遊びに行く?」

声をかけてきたのは小学生からの付き合いの山さんだ。

こいつとは腐れ縁でクラスが違ってもしばらく連絡を取って無くてもなんか繋がってる。そんな奴だ。

「満喫行くか。」

俺はいつものスケジュールなので即答した。

高校に入ってから二人して同じ所でバイトをしていたので、友達連中の中ではあまり金に困らない生活をしていた。

まぁ、満喫くらいにしか金を使ってなかったから大丈夫だったんだけど。

「んじゃいつもの所で。」

「りょ、一回家に帰って着替えてから集合な。時間は1時間後で。」

「満喫で会おう。」

俺は振り向かず背中越しに居る山さんに手を振った。

いつもの別れ際の台詞。なれたもんよ。

*****

『満喫にて』

「いらっしゃいませ。あぁ、お久しぶりです。いつものでいいですか?」

この店員さんは顔なじみで高校の先輩である。

店員なので敬語であるがたまには砕けて話してくれるのでいい先輩だ。

「いつものでお願いします。」

「はい、かしこまりました。・・・すみません今日は混雑してる用でしてお席が空くまでまだ時間がかかりますが。」

「山さんどうする?」

「ビリヤードでもしますか?」

「負けませんでっせ山さん。」

「じゃあビリヤードで。」

「はいかしこまりました。ではビリヤード三番をお使い下さい。席が空いたら連絡するね。」

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