誘惑プリンセス【BL】

├死角からの告白

 
 ヒメに関しての手掛かりが何もない俺は、大人しく陣くんからの連絡を待つしか無かった。

 そんな自分が情けなくも感じたけど、俺に出来ることなんて思いつかない。

 自分のダメさ加減に肩を落として溜め息を吐くのは、今日何度目になることか。

 時計に目を遣るともう少しで23時になるというところだ。

 そろそろ陣くんから連絡が来るかな。

 そう思った途端、ベッドに投げ出されたままの携帯が鳴った。

 慌ててそこに駆け寄ると、陣くんからのメールが。


『遅くなってすみません。今、バイト終わりました。電話しても大丈夫ですか?』


 返信するのももどかしく感じた俺は、迷わず陣くんに電話を掛ける。

 数回のコールの後に明るい声が聞こえて、軽く挨拶を交わしてから陣くんが『ヒメノのことですけど』と、本題を口にした。
 
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