誘惑プリンセス【BL】
 
「なんか色々吹っ切れたってゆーか……恭介のこと好きなんだって、ちゃんと認めたら、なんか足りないってゆーか……ごめん、やっぱさっきのナシ」

「さっきの?」

「なぁ、キスしよ」

「な、……ッ、ええっ!?」


 突然の申し出に、本当に何が何だか分からない。

 俺を見上げる瞳が妙に熱っぽくて、こっちまで変な気分になってしまいそうだ。


「ね、恭介……。いいだろ? この前みたいなさ、初めて恭介からしてくれたみたいなえっろいヤツ」

「ひ、ヒメ。ちょっと落ち着こうか。な、そうしよ」

「ヤダ。キスしたい。キスして」


 俺の身体に乗り上げるようにして、ヒメが迫って来る。

 逃げるように身体を反らしていくにも限界があり……。


「うわっ!」


 ついに俺はヒメに押し倒される形になってしまった。

 床に打ち付けた肩が痛いとか、そんなの気にしてる場合じゃない。

 至近距離で熱く見つめられて、俺は思わず生唾を呑み込む。
 
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