誘惑プリンセス【BL】
「恭介さんは幾つなんですか?」


 話の流れだろうか、陣くんが俺に振ってきた。

 確かヒメには話したこと無かったよな……絶対、何か言われる気がする。


「……23、陣くんと一緒だよ」

「嘘だ!」


 ホラ、来た。


「嘘じゃないって」

「恭介と陣が同い年って有り得ねーって」


 テーブルをバンバン叩きながら、ヒメが笑う。


「じゃあ、幾つなら納得すんだよ」

「えー? 20後半? とか?」


 俺はそんなにオッサンじゃねぇよ。


「あー、恭介怒っただろ。今絶対に怒った!!」


 笑いながら、ヒメは缶チューハイを傾ける。

 物凄い勢いで飲み干して、軽く潰して床にそれを置いた。


 何なんだ、このヒメのテンションの高さ。

 ……相手すんの、疲れるんだけど。

 俺がひっそりと溜息を吐いた時、新しい缶ビールを手にしたヒメに、陣くんが心配そうに声を掛けた。


「ヒメノ、ペース早すぎ」

「そんなことねーよ。お前が遅いんじゃねぇの?」


 だから、やっぱりカレーと酒は合わないんだって。
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