誘惑プリンセス【BL】
「……ん……っ」


 角度を変えて深くくちづける度に、ヒメの吐息が俺の聴覚を刺激する。


「……きょ、すけっ」


 少し離れれば、名前を呼ばれたり、もっと、と強請られて……。

 気付けば俺からキスをして、俺の方からヒメを求めていた。

 自分のナカに、こんなにもヒメを求める気持ちがあったなんて、知らなかった。

 貪るみたいにヒメの感触を味わって、熱くうねる舌を絡め取って。

 俺達は、長いキスを交わし合った。


「ン……っ」


 名残惜しくも離れれば、濡れて光るヒメの赤い唇と俺のとを、イヤらしく銀糸が繋いでいた。
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