誘惑プリンセス【BL】
「……痛っ」


 不意に足を止めたヒメは、額に汗を浮かべながら顔を歪ませていた。

 その足元を見てみれば、白い足に赤い痕が付いてしまっている。

 そんな歩きにくそうなミュールで走れば、靴擦れになってもおかしくない。


「ここで、ちょっと待ってて」


 その場にヒメを残して、俺は少し先に見えるコンビニへと走った。

 絆創膏と女の子用のハイソックスを買って渡すと、ヒメは苦笑いでそれらを受け取った。


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