Flight with u

 渋っている朋をけしかけて、卓弥くんに電話をかけさせた。彼と電話で話してるときの朋はとってもかわいい。恋する乙女ちゃん♪
 恋いいなぁ・・・私も恋したいなぁ・・・でも、学校が・・・あぁめんどくさい・・・

「・・・れん、せれん」
「ん?」
「卓弥がトモダチと一緒にうち来るって言ってるんだけど、いい?」
「もちろん。朋サマの部屋だもん。」
「だね(笑)・・・・・・あ、いいよ。せれん来てるの。・・・・・・・うん。待ってるね。・・・じゃあ。」

 受話器を置いた朋に話しかける。
「トモダチ?」
「うん。大学生らしいよ。出身が同じだったらしくて、最近一緒に遊んでるみたい。」
「そうなんだ。」

 10時を少し過ぎた頃、チャイムが鳴った。朋が小走りに玄関へ向かう。

「いらっしゃい。」
「うん。」
「こんちは。初めまして。」
「初めまして。」
「よっ、せれんちゃん。元気にしてた?」
「うん。久しぶりだね。仕事忙しいの?」
「まぁまぁかな。あ、コイツ俺のトモダチで浩志。K大行ってんの。」
「どうも、初めまして。」
「初めまして。せれんです。」
「すごい珍しい名前・・・。」
「うん(笑)すぐに覚えられる!」
「俺なんて平凡な名前だからなぁ・・・。」
「ヒロシくん、いいじゃん呼びやすくて。」
「そう・・・かぁ? で高校生?」
「うんうん。Y女子ね。」
「あぁ~~、あの?」
「うん、あの(笑)」
「俺の従姉妹もY女子なんだよ。2年だね。」
「じゃ、一緒だね。」
「うんうん。」

 初対面にも関わらず、気さくに話してくれるヒロシくんのおかげで楽しい時間が過ごせた。4人でたわいもない話でいっぱい笑った。ずっとこんなに楽しい時間が過ごせたらいいのに・・・。つまんない授業なんて意味のないものに思えた。ふとした瞬間、今朝の出来事が頭をよぎったけど、一生懸命頭の中の消しゴムで消した。

 もう終わった事、今更悩んでも仕方ないし・・・。
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