キラキラひかれ
ああそうか、
僕がこんなになってしまったからなんだ。
だからなんだ。
だからしんちゃんは、
僕に見向きもしないんだ。
おいしそうじゃないから。
あまそうじゃないから。
僕はもう、わたあめにはなれない。
わたあめ。
ふわふわであまあまの、
くものかたまり。
いちど地面に落ちたおかしは、もう食べられないから。
どんなにぽんぽんはたいても、やっぱりおいしそうには見えないよね。
だけど、君はいちど拾っててくれた。
だれかが落として、
もういらないって言ったわたあめを。
だから、もういいんだ。
何かにびっくりして、
僕はまた戻ってきた。
見なれた僕のお家。
いつもの匂い。
少しはだざむい、
ゆうやけ空。
口の中がしょっぱい。
「なんで!!!!!!」
いきなり、辺りに大声が響いた。
びりびりとふるえてしまうような、
いっぱいの声。
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