キラキラひかれ

ひまわりちゃんは、悲しそうな顔になって、
僕の目の前にごはんを置いた。

そして、
両手でわしわしと僕の顔をかきまわす。

ちょっと苦しい。


「お腹減ったら、食べればいいよ。」

おしまいにむぎゅうっと抱きしめられてから、そう言われた。
ひまわりちゃんは立ち上がると、
段々になったスカートをくるりと回して、
そばにあったカバンを持つ。


学校に行くんだ。

いってらっしゃいと言おうとしたけれど、
やっぱり言う気になれなくて。
僕はぺたんとねころんだ。

へいの向こうにひまわりちゃんが消えていく。


顔の前に置かれたおちゃわんを、
僕は鼻先ではじに寄せた。

お腹は、ぜんぜん空いていない。

ごはんを欲しいと思わなくなった。

おさんぽにも、あんまり興味はなくなった。


でも、なでてもらうのは、まだ好き。

抱きしめられるのも、好き。


『ジュケンセイ』っていうのが終わったら、

しんちゃんは。
また僕をいっぱい、なでてくれるのかな。

抱きしめてくれるのかな。
そうだといいんだけど。


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