大好きな君へ
街中をひたすら歩き、ヒロ兄ちゃんを捜し求めた。

『見つかんないよ…』

と、諦めかけたその時。

ドン!

『キャッ!』

わたしは尻餅をつき、立てるのが難しかった。

「すみません!大丈夫ですか?」

スーツをしっかりと着こなした好青年がわたしに気付き、手を差し延べてきた。
『あ…ごめんなさい。』

「……その声。千紗?」

えっ?


「千紗だよな?俺、ヒロムだよ!あの時の!」


うそ……。


「久しぶり…。」


ほんとに………。
あの時の………?
ヒロ兄ちゃんなの?


『ヒロ兄ちゃん?』


「ん?」

ヒロ兄ちゃんだぁ!

『会いたかったよ!』

わたしは人目もきにせずヒロ兄ちゃんに抱き着いた。
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