新アニオタ王子
会って即かよ…
別の風俗と勘違いしてんじゃないの?
抱きたいだけならわざわざ「彼女」じゃなくてもいいでしょ…
恋人クラブは他店とは比べものにならないくらい、女の子の料金は高い。
だから女の子もそれだけ頑張って「彼女」を演じるんだ。
部屋に入りなり、冷蔵庫から
缶ビールを取り出すサトシ。
恋愛素人は女の子を喜ばせる手段も知らない。
ルームサービスくらいはあってもいいでしょ?とつまらなく思ってしまうし。
せっかく恋人として1日買われたからには
ただ、抱かれるだけ。
そんなのは新人女の子の扱いと同じで、NO.1としてのあたしのプライドもあったもんじゃない。
べっどまでの時間を稼ぎたいあたしは
香月さんから教えられたサトシのプロフを思い出しながら聞く。
「サトシさんは釣りが趣味なんだよね?この時期だとどんな魚が釣れるの?」
サトシはベッドに腰をかけていた私の横に座り
アルコール臭さい息を吐きながら
「そんな事より早くいちゃつこうよ」
なんて…
まるであたしの声なんか聞こえていない。