新アニオタ王子



いちゃつく前にさ…



お前のその口アルコール臭い口をブレスケアしてこいっつーの!



キモメンがっ!!


表情崩さず心の中で舌打ちは鉄則!


「でも、マユ釣りの話し聞きたいなぁ。

サトシさんの好きなこと、マユも好きになりたいし…」

得意の猫撫で声で攻めるも

サトシのいやらしい目つきは変わらない。


「本当に?…

マユちゃんホームページの
写真よりもずっと可愛いし…


それにマッチしたその声

そんな子に好きになりたいなんて言われたら…早くその声を淫らにしたくて我慢できなくなるよ…」



猫なで声が逆効果…。


こういう、ベッド目的の客はやっぱり


一度満足させないと落ち着かない。


本当の恋人同士には通さないんじゃないかってことを

言ってやりたくなるけれど…


結局、あたしのやってることはお金の発生する「ごっこ遊び」なんだ。


女の子は客の理想の恋人にならなきゃいけないけれど…

客に恋人要素を強要してはいけない。



「それなら、マユ…シャワー浴びたいな」


囁いた言葉にようやくサトシの顔が緩む。



「そんな事いいよシャワーなんか終わってから
浴びなよ。」

それはどう考えても不潔でしょ…。

あたしよりあなたが…。



「シャワー浴びれないなら、マユ…恥ずかしくてムリだよ」


わざと恥ずかしそうに視線を逸らしてみせると


サトシは、満面の笑顔で囁く


「一緒に浴びようよ」




キモっっっ‼


無理。


それは嫌。


それでもあたしだってプロの恋人。笑顔を崩さずサトシの唇にそっと人差し指をあてた。





「待っててダーリン」


ウィンクして

シャワー室に向かう。


< 12 / 100 >

この作品をシェア

pagetop