新アニオタ王子
薬局のお買いあげテープをがきっちり貼られてる小箱にため息一つ。
シャワーから戻った彼は緊張で体をカチコチに強張らせていた。
「もしかして女の子…抱いたことがないの…?」
聞いたあたしに
サトシは耳まで赤く染めながら「この歳で恥ずかしながら…」と、ぎゅっと握りこぶしを作り目を閉じる。
そんな彼の震える言葉を聞いて
ようやく少しの可愛さを感じたあたし達はまず最初に、お互いを知るために世間話から始めた。
サトシの表情が緩み始めるとようやく
その頬に
唇にキスを丁寧におとしていく。
結局、あたしを一度抱いた後のサトシは方針状態から抜け出せず
予定よりもずいぶん早くにサヨナラをすることになった。
「また、会いたいな」
「マユちゃんが会ってくれるなら…また会いにいく。
次はもっと…その…恋人らしいことから始めよう?」
「楽しみにしてるわ。
私、サトシさんが大好き」
笑顔で別れた後
彼の視界から自分の姿が消えたのと同時に業務終了報告の
電話をかける。
これがあたしの仕事内容…。