新アニオタ王子
当日は期待と不安を抱えて
時間よりも何時間も前に
店に行き、香月さんと入念に話し合いした。
暴力団関係ならすぐに香月さんに連絡。
そうでないなら様子を見ながらそれでも、身の危険な無さそうかを香月さんにメールで連絡。
話しをしながら、初めてあたしに見せる緊張した香月さんの顔…。
その表情はその表情でなかなかイケる。
そんな風に考えてるあたしは周りから見たらただの能天気なもしれない。
なんて自分で思ってしまった。
香月さんとの話し合いが雑談に変わった頃、事務所の内線がスタンバイを教える。
「マユちゃん待ち合わせ10分前よ」
事務所にいたため
受け付けのおばちゃんからのスタンバイコールという
いつもと一味違うスタンバイコールに、苦笑いを噛み締めて急いで、出かける支度を済ませる。
無駄なお喋りもしていたせいか
随分、時間を早く感じた。